年少さんから年中さんへ、そして年中さんから年長さんへ、学年がひとつ上がることを楽しみにする一方で、子供たちはクラス替えによって大きな不安を抱えることがあります。
新年度、子供たちはクラス替えによってどんな不安を持つのでしょうか?そして、その不安はどんな形であらわれるのでしょうか?
ここでは、実際に幼稚園の先生から伺ったお話を元に、クラス替えによって芽生えてしまう、子供たちの不安感についてお伝えしましょう。
わからないから不安、不安だからわからない!
クラス替えに伴う不安といえば、
- 仲良しのお友達と離れてしまって、さみしい
- 新しいお友達ができなかったらどうしよう
- 担任の先生は誰なんだろう
といったもの。子供がこうした不安を持つことは、ママも予想がつきますよね。
しかし、子供たちが感じる不安は、もっと複雑で細かいもののようです。息子が通う幼稚園の先生は、以下のように話していました。
そして、周りのお友達を見ると、顔は知っているけれど、話したことも遊んだこともないお友達がたくさん。担任の先生が変われば、先生のこともよく知りません。
自分の周りに知らない人がたくさんいる、という状況にも、また不安を感じます。あの子は誰だろう、あの先生はどんな先生だろう、そうした「わからないことだらけ」の状況が、子供の不安を大きくしていきます。
そうなると、先生の指示などを聞いても、「わからない」と言って、なかなか行動しない子供が多くなるのだとか。
年少、年中の時とは違う環境に置かれることで、今まですんなりできていたことができなくなったり、先生が何度説明しても「わからない」と繰り返すことが増えたりするようです。
その不安の影響は、家庭でも…
たとえば、新年度になって進級した子供に、
「今日は幼稚園で何をしたの?」
と聞いても、
「わかんない」
「何もしてない」
などと答えることが多くあります。
ママが聞いても何も答えなかったり、幼稚園がつまらない、行きたくないなどと言うこともあるでしょう。また、家の中でも、今まできちんとできていたお片付けをしなくなったり、食事の好き嫌いが激しくなったり、あるいは、わけもなくグズって泣いたりすることも出てきます。
こうした時、ママは決して子供を否定したり怒ったりせず、まずは子供の不安を受け止めて、優しい言葉をかけてあげることが大切です。担任の先生には、連絡帳などを使って家庭での子供の様子を伝えるとともに、子供に対しても、
- 「わからないことがあったら、先生に聞いていいんだよ」
- 「お友達もみんな不安だから、〇〇ちゃんから遊ぼうって言ってあげると喜ぶよ」
などと、具体的にどうすればいいのかをアドバイスしてあげるといいかもしれません。
1学期が終わる頃までには、ほとんどの子供がこうし不安を解消し、徐々にクラスになじんでいくようですが、緊張が強い子や、人見知りが激しい子などは、2学期まで不安を引きずってしまうこともあるようです。ママは子供の性格に合わせて、不安を少しずつ解消できるようにサポートしてあげたいですね。